医学生の皆さんへ
安房は世界の最先端?
初期研修医34期生 あわレジ10期 総合診療プログラム 森川 敬太

どんな医師を目指すか、ということについては十人十色の答えがあると思いますが、私自身はもともと、長寿社会となった日本のプライマリ・ケアの理論や仕組みを研究・発信する仕事をしたいと考えていました。しかし、大学や行政機関にのみ所属していると、根本的に何が目指すべきものなのかを現場の最前線で「ひとを診て」考えるということと両立する道が意外と少ないように思われ、悩ましいと感じていた学生時代に出会ったのが家庭医療・総合診療でした。

亀田ではジェネラリストの専門家である家庭医が一般的でなかった20年近く前から家庭医・総合診療医育成に力を入れていて、かつ高次医療機関の研修も経験でき、医師として骨太に育ててもらえそうだと思ったこと、病院全体として新しいものを積極的に受け入れる雰囲気があったことから研修先として選びました。地域ジェネラリストプログラム(愛称:あわレジ)、というと地域医療で地味な感じがするかもしれませんが、総合診療・救急・家庭医外来を早い段階でバランス良くトレーニングできることから、近年のマッチングでは内科・外科プログラムを凌ぐ倍率になることもあるようで、実際に研修を経験した身としても、納得の理由があると思いますので今回このメッセージを書いてみることにしました。

あわレジの研修は、全員安房地域医療センター総合診療科・救急科の計4ヶ月からスタートします。医師として最もよく出会う病気・健康問題とその対応からまず経験することができ、多くの場合主治医とマンツーマンで患者さまを担当するため、守られた環境の中で最大限の生の経験をさせて頂きました。初期研修の早期から容赦なく、エビデンスに基づいた病棟管理から外傷・蘇生・救急搬送診療まで経験させて頂き、ときにチャレンジングなこともありましたが、その後の研修の大きな自信につながったと実感しています。

あわレジは1年目の早い時期から、集中的にレクチャーを受けて家庭医としての外来研修もスタートします。急性疾患の初期対応から、慢性疾患・在宅医療・メンタルヘルス・子どもや女性のヘルスケアなどを、専門医と連携しながら高いクオリティでできるようにするのは途方も無いくらい大変だと日々実感していますが、最初は外来1人に60分の設定で一人ひとりをじっくり診るところから無理なく始められました。初期研修も終わりに近づいた今となっては、1年以上のお付き合いになる患者さまも増え、外来で介護保険申請やサービス導入をしたり、市役所や福祉の方々と相談しながら診療方針を決めたりする経験もしていますが、これはなかなか他の研修病院では味わえないことではないかと思います。これらの研修の裏打ちとなる家庭医療や総合診療の理論については、専攻医のレクチャーや勉強会に参加してさらに学ぶチャンスも用意されています。

そしていざというときにはいつもお世話になっている亀田の専門科の先生方に紹介したり、地域の専門医・開業医の先生方・医療・介護・福祉職の皆様と見学研修等で顔の見える関係となってご相談をさせていただいたりと、研修医1年目から医師として大事にしてもらい、地域のなかで協働させて頂けるのはとても幸せな環境だと実感しています。亀田総合病院・安房地域医療センター・亀田ファミリークリニック館山という3つの異なるセッティングを行き来する患者さまの経過を最初から最後まで診ることができるのも、このプログラムの魅力であると思います。確かに、都市部には臓器別専門医や病院が充実していますが、地域に特有の「選択肢の少ない豊かさ」というべきものがここにあるのかもしれません。

上記のように面白い研修環境がある南房総地域は過疎化・高齢化が進んでおり、実は、長寿社会の未来像を考える最前線でもあると思います。この地域で学び、考えたことをもとに、将来的には長寿社会を追いかけてくる20-30年後のアジアやヨーロッパの国々にも発信できるような研究や実践をできる家庭医になりたいと、私自身は考えています。が、後輩・同期・先輩方はやはり十人十色の将来像を描いており、そこも含めてなんともニクい研修プログラムとなっております。

「よい研修」を目指すことはそれ自体がとても大変であり、かつ大事で基本になることだと思いますが、「その先」も欲張る皆さんと一緒にお仕事をさせて頂ける日を楽しみに、私自身も引き続き頑張りたいと思います。

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